まず玄関ドアを交換する前に、
そのドアが乗っているタイルをリフォームしなければなりません。
既設のタイルを剥がしていきます。
『タイルの施工は、コンクリート土間を下地として、
その上にモルタルを塗り、タイルを設置していく』という手順となります。
そのため、ひとえに『タイルを剥がす』といっても、
そうなかなか剥がせるものではありません。
少なくても手で剥がすことは無理なことです。
そこで、斫り機(はつりき)を使用して、
タイルの上から圧力・打撃を加えて、割りながら剥がす形となります。
この際全てがきれいに剥がせるわけではありません。
微量ながら土間に張り付いて剥がれないタイル片もあります。
こうしたタイル片を少しでも残してしまうと、
新しいタイルを張る際に障害となってしまい、
出っ張りなどの形で表れてしまいます。
そこで、全てのタイルが剥がれたと見えても、
一度土間全体をスクレーパーなどの工具でなでて、
目に見えない取り残したタイル片がないかをしっかりと確認いたします。
既設のたいるを剥がすことが出来たら、
新しいタイルを張るための準備を行います。
タイルを張るために特別に調整混合したモルタルを、
土間に均等に塗っていきます。
このモルタルを接着剤としてタイルを張るわけですが、
一度にモルタルを土間に塗りません。
一度にぬると、タイルを張っている間に乾いてきてしまうためです。
少しずつモルタルを均等に塗り、
タイルとタイルの間(目地)を慎重に整えながら揃えて設置します。
全てのタイルが設置出来たら、
その目地を埋めるために、タイルの上から全体にモルタルを塗ります。
目地にモルタルが埋まったら、
水にぬらしたタオルでタイル表面のモルタルをぬぐっていきます。
最後に養生する必要があるので、
全体にブルーシートを張り、2~3日養生させて完成です。
タイルのリフォームが出来たら、
いよいよ玄関ドアの交換です。
既設の玄関ドアを取り外します。
カバー工法での設置ですが、
今回の玄関ドアは玄関枠の意匠性がとても凝っており厚みもありました。
今回ほどの厚みの場合、その意匠部分を全てカバーすることは出来ないため、
意匠枠をそのまま残して生かす形をとります。
新しい玄関ドアの上下枠を開口部に当てて、
改めて現場での調整を行います。
ドア枠の地面との並行性、開口部との並行性、
上下左右からの均等性がしっかりと確認できたら、
開口部にドア枠をビスで取付ます。
この時点で、玄関ドアを設置して開け閉めしてその具合を確かめます。
開け閉めに不具合がなく、すれるような音や、重さや違和感を感じなければ、
ドア枠の外枠を設置していきます。
外壁とドア枠の接地部分に隙間が生じないように、
綿密に計算をしてとりつけ、最後にはその壁との境界線部分にコーキングを張ります。
このコーキング処理は玄関の内側にも同様に施します。
こうすることで、ドアの隙間からの空気の出入りを防ぐようにしているのです。
全ての接地面にコーキングを施し、
最後にポケットキーの登録処理を行ったら、お客様への引き渡しです。
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