温水ルームヒーターの交換に行ってまいりました。

ご依頼者様宅の温水ルームヒーターは、

ご依頼時点ですでに故障しており、温風が出ない状態でした。

室外機を開けてみた所、中で循環液の漏れがあった形跡もあり、

使用年数も併せて考え、交換のご希望でした。

問題となったのは『室内機の設置可能数』。

元々は 4 部屋 全てに室内機が設置されていました。

しかし、現在の製品の場合、同出力の8.70kWで室外機を用意しますと、

最大3部屋が基準となってしまいます。

4部屋対応の11.6kWの室外機を用意すれば問題は解決しますが、

価格が段違いです。

そこでお客様より、

8.70kWの室外機で4部屋の室外機を使用する方法はないか、と

ご質問をいただきました。

答えは、

『限定的に可能』

です。

前述した通り、現在の温水ルームヒーターでは8.70kWの室外機は

3部屋対応が基準となっております。

今回提案しましたコロナの暖 DAY BOYも同様です。

これは、室外機の中を開けて電子ボードを見てみると、

『正常運転させる為の通信線が3基分しかない』ため明らかです。

では、限定的に可能というのはどういうことかというと、

『4部屋を同時稼働させることはできないが』

『 4部屋目に接続した状態で3ヵ所までの稼働としてなら出来る』

ということです。

つまり

『寝る時だけ部屋を暖めたい』 、『お客様が来た時だけ使用する』

という、普段からは使用しないが限定的なタイミングでのみ使用するという場合であれば、

設置可能ということです。

ただし、

この設置方法を実現するためには、いくつかの条件がございます。

・そもそも 4 部屋目に温水コンセントが設置されていること

・4部屋目のコンセントに通信線が設置されていること

・4部屋目の室内機を稼働させる際に、

最低でも1台の室内機が普段使用のコンセントに接続されていること

・室外機の電子ボードのE-con入力端子に、4部屋目の信号線が接続されていること

です。

そしてデメリットもあります。

・4部屋目の室内機は、時刻などの設定ができないこと

・タイマー機能などが使用できないこと

こうした条件やデメリットがあることをご承知の上であれば、

限定的にですが4部屋目の室内機を使用可能な状態にしておけるのです。

温水ルームヒーターの交換施工に取り掛かります。

まず最初に、温水ルームヒーターが使用されていないことを確認します。

もしお部屋を暖めるのに使用されているようであれば、

施工中はお寒いとは思いますが、

温水ルームヒーターを使用できませんことを、ご承知くださいませ。

次に室外機に繋がるオイルタンクの給油管のバルブを閉めます。

給油を止めたら、各配管の取り外しです。

不凍液の循環配管を外し、中の循環液を抜水します。

合わせて信号線外します。

信号線は、外す前に『どの線がどの部屋に対応しているか』を

1本ずつ確かめ印をつけてからの取り外しです。

ここまで外せれば、室外機の撤去です。

室外機を乗せていた架台が空いたら、早速新しい室外機を乗せて位置確認を行います。

年代もメーカーも変わりますため、

配管の取付向きや高さなどの位置も変わります。

すると、既設の配管だけでは長さが足りず設置出来ません。

そこで、アルミ製のフレキシブル配管を使用して、配管延長を行います。

室内機を音声コンセントに接続したら、

循環液を室外機に注入し、試運転の開始です。

この試運転を開始している状態の時に、各配管に水圧がかかります。

この水圧がかかった状態の時に、配管の締め付けが緩かったりずれていたりすると、

その部分から『にじみ』などの形で水漏れが発生いたします 。

循環液の漏れがないことをしっかりと確認したら、

凍結防止体を巻き付け、断熱材と耐光性の布地をしっかりと巻き直し、

配管の保護を行います。

最後に、4 部屋目の室外機もしっかりと作動するかを、

作動チェックを行って完成です。

温水ルームヒーターの交換の際、

当時と現在の室外機の基準の違いから、

室内機の設置個所数を減らす決断を余儀なくされるケースもございます。

しかし、 極めて限定的な方法ですが、

3部屋対応の室外機でも『4部屋目の室内機』を稼働させることは可能です。

『使用したいのに1部屋分断念せざるを得ない』といったことにならない様に、

お客様にとってより良い方法を共に考え、ご提案することを第一にと考えております。

温水ルームヒーターの設置でお悩みのお客様がいらっしゃれば、

一度お気軽にご相談くださいませ。